ジャンパーズニー
ルールや競い合う内容が異なる数多くのスポーツの中で、走ることとジャンプすることは共通する動作です。
しかし、どんな動作でも身体の限界を越えて行えばスポーツ障害の原因となってしまうのです。
ここではジャンプのし過ぎから起こるジャンパー膝について解説していきます。
ジャンパー膝の概要と症状
ジャンパー膝は、スポーツ障害によって起こす膝蓋腱炎と大腿四頭筋腱付着部炎という二種類の腱に起こる炎症の総称です。
膝蓋腱は脛骨側、大腿四頭筋腱は太腿骨側にある腱のことで、膝の曲げ伸ばしの際に働く性質を持っています。
ジャンパー膝は、膝蓋腱炎と大腿四頭筋腱付着部炎の片方または両方同時に発症し、膝の機能に障害をもたらすことがあります。
ジャンパー膝の症状としてはジャンプ動作時の膝の痛みがありますが、症状が重くなると膝蓋腱・大腿四頭筋腱の断裂を招くことがあります。
原因
ジャンパー膝はその名の通りジャンプ動作の多用を原因として発症します。
ジャンプ動作は、飛び上がった瞬間と着地した瞬間の二度にわたって膝に強い衝撃を与えます。飛び上がった瞬間は自分の体重を持ち上げた分の衝撃が掛かりますが、着地した瞬間は自分の体重に重力を加えた衝撃が膝に掛かります。膝への強い衝撃を伴うジャンプ動作を繰り返すことで、膝を動かす腱の損傷を招き炎症の原因と考えられています。
ジャンパー膝が起こりやすいスポーツ
ジャンパー膝の発症原因となるジャンプ動作は、多くのスポーツに見られる共通動作の一つです。
つまり、多くのスポーツは潜在的にジャンパー膝を発症する可能性があると言えますが、ジャンパー膝を発症しやすいスポーツはある程度絞られてきます。
特にジャンパー膝を発症しやすいスポーツとしては、バスケットボールやバレーボール、バトミントンなどの一定の高さを頻繁に越えて攻撃する必要がある球技が挙げられます。ハードル走などのジャンプ動作を頻繁に行う陸上競技も、ジャンパー膝を起こしやすいスポーツとなっています。
治療
ジャンパー膝は放置しておくと腱の断裂を招く為、出来るだけ早いうちに対処しておく必要があります。
初期のジャンパー膝は、運動後のアイシングで痛みを沈め炎症を抑えるように心がけます。ジャンパー膝の症状はジャンプ動作に伴って起こりますが、ジャンプ動作なしでも痛みを感じるようならば、ジャンプ動作を伴うスポーツを休止してアイシングと安静にするように努めます。様子を見ながら、休息中に衰えた筋力を取り戻す為のトレーニング・ストレッチを開始し、完治してからテーピングなどをしながら運動を再開するように指導いたします。
腱が断裂している場合は、外科手術で腱を縫合する必要があります。そのごのリハビリなども当院では行なっています。